私たちKHJ ひきこもり家族会沖縄支部は、令和6年6月1日(土)に対話交流会を開催しました。
ひきこもりの人は、どうして外に出ないのでしょうか。頑張る気持ちが足りないのでしょうか。今回、ひきこもりの人は脱ひきこもりがよいことを十分に理解しているが、自信がないために行動できないでいるという分析が印象的でした。

ひきこもりの方への説得がほとんど効果がないことは、家族会の活動で自明となっています。こどもに自信を持ってもらうことが大切なのですね。こどもが安心して暮らせる環境を作り、エネルギーを貯めてもらい、自分の意志で旅立つ。それまで仲間と一緒に支え合うことが家族会の役割だということを、改めて認識することができました。

ひきこもり家族会6月那覇市交流会

令和6年6月1日(土)10:00-13:00
参 加:家族11名 当事者2名 関係者3名
参加費:500円

対話交流

個人が特定されないようにしています
  • 家族:家系図を作っています。祖先や関係者をたどっていくなかで、人間一人の生をこえたつながりを意識します。孤独じゃないんだという実感があります。おすすめです。
  • 家族:こどもが私を責めてきます。自分が苦しんだ償いをしろと。また発言の後には反省している様子です。こどもを支えていきたいのですが、どこまで応えていいのかわからず、悩んでいます。
    • ←こどもに相対するときのポイントは、「あさげ」が効果的です。「あ」あっさり、「さ」さっぱり、「げ」げんきよく。
    • ←言葉を使った言い合い、説得は難しいですよね。感情的にもなりますし。非言語のふんわりしたやりとりで、こころが穏やかになるといいですね。
  • 家族:最近美術館にこどもと一緒に行くことができました。また、こどもが親戚との会食イベントに参加してくれました。当日は直前まで寝ていて、大丈夫かなとヒヤヒヤでした。帰宅後は毛布をかぶって休んでいました。必要以上に私がこどもに関わってしまったのか「これ食べて、あれも食べてと勧めてこないで」「人前で話しかけないで」と言われました。こどもが参加してくれて、嬉しさのあまりやりすぎてしまったようです。
    • ←親として、その失敗と気持ちは十分にわかります。あるあるですよね。
  • 家族:こどもと外出、外食ができているので、親とこどもの関係はいい方なのかなと思っています。最近こどもは髪を伸ばしたいようです。私としては前髪だけでも切ってほしいのですが。顔を隠したいのでしょうか。
    • ←髪のことは言わないようにすればいいと思います。見た目が暗くなりますが、髪を切りたいのは親の都合だと思います。
  • 当事者:私も床屋に行けない時期がありました。ひきこもっている時は散髪も困難です。ただ3か月ほどで不快のあまり散髪したのを覚えています。居場所について、わたしは40を超えていますが、年齢を気にせずに気軽に利用できる居場所が欲しいです。沖縄にはないのでしょうか。
  • 家族:高校を中退してひきこもり状態になったこども。今は母親としか話せません。3年前には県のひきこもり支援センターで5分間の面談に臨み、支援員とトランプもできました。最近はよく眠れないみたいですが、病院には行く気が無い様子です。
    • ←服薬に抵抗があるのでしょうか。よく薬に依存してしまうとか、副作用を気にして服薬を避ける人もいますね。
    • ←よい医者はお薬の説明が丁寧です。効果はもちろん、服薬のデメリットをきちんと伝えてくれるお医者さんなら信頼していいと思います。
    • ←(当事者)私は服薬で辛い思いをしたことがあります。薬を嫌がる気持ちがとてもわかります。
  • 家族:普段は家事のことで頼りになる父親ですが、こどもが働いていないことを母親の私に問いただします。今はそういう段階ではない、エネルギーをためる段階だという理解は全くない様子です。父親は苦労人で、努力努力で上り詰めてきた人で「これくらい、頑張れば問題ない」と考えているようです。
    • ←お父さんに、子どもも仕事しないといけないことは十分に理解している、だけど行動する自信が無くて動けないんだと伝えてあげてください。
    • ←お父さんも一緒に家族会に参加できるといいですよね。
  • 当事者:これまで何から何まで親に否定されて、沢山傷ついてきました。自分が変わって、親も変わってきました。最近はいたわってくれます。自己開示が進むにつれ、怒りや悲しみの感情がとても薄くなり、おだやかになれました。
  • 家族:親に心を開かないこども。2年近くのひきこもりと、うつ状態を経て心療内科を受診することができました。そこでASDの診断でした。思い返せば、とてもこだわりの強いこどもでした。苦しい思いをさせてしまったかもしれないと、親として反省。勉強して児童発達支援士の資格を取得しました。勉強を進めるたびに、これまでの親としての対応を反省するばかりです。こどもへの対応を工夫して、活動の幅を少しずつ広げています。
  • 家族:大学を中退した子ども。パソコンのトレーニングができる自立訓練施設に無理なく通うことができています。これからも家族会に参加しながら、こどもを上手に応援したいです。

ひきこもりの問題に向き合う中で、人間の理解が深まっていきますね。最近は対話交流会ばかりとなっていますが、そろそろ勉強会もしたいなという気持ちです。仲間がいるから続けられます。みなさん、これからもどうぞよろしくお願いいたします。