私たちKHJ ひきこもり家族会沖縄支部は、令和6年4月6日(土)に交流会を開催しました。
4月3日の台湾東部沖地震では沖縄県でも津波避難警報が発令されましたが、ひきこもりと災害避難のお話に関心が高まる会でした。いざというときの話し合いのために、家族コミュニケーションの回復が大切だと改めて感じました。
久しぶりに参加された当事者は、ひきこもり気質と向き合うことについてお話されました。ひきこもりが回復することについて、改めて考えさせられました。
ひきこもり家族交流会@那覇市
令和6年4月6日(土)
なは市民活動支援センター2階研修室2
参加者:家族8名、当事者3名、関係者2名
参加費:500円
対話交流
個人が特定できないようにしています
- 家族:20代の子ども。これからひきこもるから干渉するな、説教するなと言ってきました。どのように受け止めればいいのでしょうか?
- ←ひきこもる行為は、子どもがこれ以上傷つきたくない、まず落ち着きたいので、ひとまず社会や家族と距離を置くという側面もあるようです。気持ちを受け止めて、上手にコミュニケーションが取れる工夫や環境つくりをするといいと思います。
- 家族:深夜に子どもがゲームをしていてドンドンと騒音がしました。「静かにしてね」と注意したら反発されました。子どもは普段家事などの家庭内ルールを守ってくれています。たまに爆発するといった感じです。
- ←爆発しても、その後コミュニケーションが取れているようですね。本人も悪いと思っているのでしょう。バツが悪いときの気持ちの逃げ場所がなかったのでしょうか。
- 家族:4月3日の津波避難警報のとき、子どもといっしょに高台へ避難することができました。外に出ることができるかと心配でしたが。家族として嬉しく思い、少し欲が出て、もっと先へもっと先へと歩きました。無意識に親が自分の都合を押し付けることで、子どもとの関係が悪くなるといったことがよくあるので、思い返してみて少し反省しています。
- 家族:8年ひきこもる子ども。40代です。大学卒業後に資格試験に失敗してこもるようになりました。社会生活で忘れ物が目立ったり、体を壊してしまったり、自分のことをマイナスに感じることが多かったのかなと思います。コミュニケーションはLINEを通しています。最近アルバイトを始めようとしている様子なので、ついついいろいろ聞いてしまって、雰囲気が悪くなりました。状況は良くなっているようですが、自分の都合でいろいろ聞いてしまって反省しています。
- ←心配する気持ちは十分にわかりますが、親が子どものことに焦点を当てすぎると、子どもは圧迫感を感じるかもしれませんね。家族は家族で、自分のことを充実させると良いとよく言われます。
- ←普段から一緒に暮らす家族が楽しそうにしていると、子どもの警戒心が下がってくることが多いです。
- 家族:子どもは自分の体のケアに熱心になりました。自宅近くの公園で家族と散歩もしています。最近は居場所にも通うようになりました。家族として送迎などサポートを楽しみながら続けます。
- 当事者:みなさんのご家族としてのお話を聞いて、また心が救われる思いがしました。子どもに向き合ってらっしゃる姿勢が何よりすばらしいと思います。私も家族が見方でいてくれる中で社会参加したかったなと思います。
- 当事者:私は現在専門学校に通っています。ひきこもり状態から回復?したという皆さんの受け止めですが、私自身の「ひきこもり気質」はそのままという認識です。気質なので、きっぱりと改善というわけではありません。自分のひきこもり気質と向き合い、成長していくといったイメージでしょうか。もちろん人前では緊張しますし、怖いです。ただ以前の状態には戻りたくない気持ちでいます。私が再び社会とつながるための情報は、母が身近に置いていてくれました。母が種をまいていてくれたと思います。
ひきこもり気質と上手に付き合う
「ひきこもりを治療する」「ひきこもりを治す」といった表現があります。医療の専門家による表現もありますが、時に当事者を傷つける表現だと指摘されています。家族が希望を持つことは仕方ないのかもしれませんが、当事者には家族や第三者の都合の押しつけといった印象を与え、苦しみに寄り添ってもらえないつらい気持ちにしてしまいます。
「ひきこもり気質と上手につきあいながら成長する」といった視点で、ひきこもりの回復について考えていけるといいなと思いました。